終活のコラム
寺院とのつきあいが負担になってきた・・・!? ~離檀について~
【檀家】とは、決まった寺院の信徒になり、お布施や会費を払うことで寺院を経済的に支え、葬式や法事などの供養をしてもらえる家のことを檀家と言います。
檀家は個人でなるのではなく、家単位でなるものです。
お寺の修繕費や改築費など経済的支援をおこなう檀家は、寺院が存続していくためには欠かすことのできない存在であり、
寺院にとって檀家がいなくなるのは大きな問題です。
しかし、寺院に経済的な支援をおこなう檀家にかかる金銭的負担は大きいため、檀家をやめたいと考えている方もいるでしょう。
ここでは檀家のやめ方で悩んでいる人を対象に、その方法について解説していきます。
檀家をやめることのメリットやデメリットも紹介していくのでぜひ参考にしてみて下さい。
□ よくある離檀の理由とは?
【離檀】とは、お寺の土地を借りて建てているお墓を移転もしくは撤去して檀家でなくなることを指して言います。
亡くなった方の供養や法要を執り行ってもらったり、法要に関して何か悩み事があれば
住職に相談したりするために檀家制度というものがありますが、
時代が進むにつれて核家族化も進み、檀家制度そのものの必要性を感じないという方も増えてきました。
そのため、普段は檀家であることを意識していない方も多いのですが、
お寺に先祖のお墓がある場合は、原則としてそのお寺の檀家になっている可能性が高いです。
墓地はお寺の土地であり、その土地にお墓を建てるということはお寺の土地を借りているということになります。
よくある離檀の理由としては、「実家から離れた場所に住んでいてお墓を管理しきれない」というものや
「金銭的に檀家でいるのが大変」、「お墓を継ぐ人がいないので墓じまいしたい」というような理由が挙げられます。
(豆知識)
そもそも檀家制度は、室町時代の末期頃から発展してきたという歴史があります。
「檀家」という言葉や檀家が所属するお寺である「檀那寺」という言葉は鎌倉時代には発生していたとされています。
江戸時代になり、江戸幕府がキリスト教の信仰を禁止する法令を出した時には、民衆は必ずどこかの寺院の檀家となることが求められていました。
このようにして長い歴史の中で檀家制度は人々に根付いてきたということになりますが、
檀家は所属するお寺から亡くなった人への供養や法要をしてもらう見返りとして、
お寺の運営をおこなうための金銭的援助をしなくてはいけないという決まりがあります。
また、人が亡くなった時に、死後の名前として戒名というものを付けることができますが、
檀家の場合、その戒名は所属するお寺の住職につけてもらうのが原則となり、その料金も支払わなくてはいけません。
このように檀家になると所属している檀那寺との結びつきも強くなり、
法要や供養の執り行いや相談事にのってもらえるというメリットはあるものの、金銭的な負担も生まれてしまうのです。
□ 離檀するメリット
・寄付金や護持費(年会費)の義務がなくなる。【金銭的負担の軽減】
「護持費(ごじひ)」というのは、菩提寺に納める管理料のことを指し、トイレ清掃や墓地全体を整備するための費用、
墓地に設けられた水道の料金などの支払いにあてられるお金のことをいいます。
お寺は檀家から得られる護持費で、お寺や墓地の運営や管理をおこなっています。
1年間に支払わなくてはいけない護持費の金額としては一般的なお寺では数千円~数万円ほどとなっており、
格式の高いお寺では10万円近くになることもあるようです。
また、修理や建て替えの際は多くの費用がかかってしまいます。
そのような寄付が集まらない場合、お寺はどんどん老朽化し、法事もできなくなるかもしれません。
檀家である以上はお寺の維持費を払わなくてはならないのです。
檀家をやめるとお寺の墓地や本堂を利用することはできなくなるものの、このような寄付金を払う金銭的な負担はなくなります。
離檀することのメリットとしては、護持費や寄付金を支払う必要がなくなるという点を挙げることができましたが、一方のデメリットも存在します。
□ 離檀するデメリット
1.供養を受けられなくなる
離檀することによるデメリットとしては、一番に『宗教的な供養を受けられなくなる』ということがあります。
檀家をやめるということはお寺との付き合いをやめるということになります。
代々お墓を守ってきてくれたお寺とのつながりを無くすことで、檀家である時には受けることができていた供養のサポートをしてもらうことが困難になります。
基本的に、寺院では檀家にしか供養をおこないません。「お盆やお彼岸の供養」をはじめ、「年忌法要」もおこなってもらえなくなるのです。
また、檀家である時は、法事などでの悩み事があった際には気軽に相談にのってもらうことができますが、
離檀するとそのような相談事もすることができなくなってしまうのです。
離檀したあとは無宗教になり、年忌法要などもおこなわないと決めた人にとっては問題ないかもしれませんが、そうでない場合はよく考えましょう。
(離檀後は、ご自身で葬儀や法事のときだけ供養をしてくれる寺院を探す必要があります。)
2.寺院とトラブルになる可能性がある
離檀することのデメリットとして、寺院とトラブルになる可能性があるということも挙げることができます。
離檀をお寺に申し出たら高額な離壇料を請求されるケースもあるようです。
お寺は毎日の供養や年忌法要、読経などのおつとめをおこなっていますが、そのおつとめをおこなうためには費用がかかります。
お寺の管理や維持費用も檀家からの寄付金でまかなわれているため、お寺としては檀家が減ってしまうとお寺を維持していくことが厳しくなる場合もあります。
そのような事態を避けるために離檀するというような人に対して、思いとどまらせるためにも高額の離檀料を請求するといった事例もあります。
住職と揉め事になってしまうと離檀するのが大変になるでしょう。
◎ お寺からお墓を他のところへ移動させる場合、墓地埋葬法の規定で「改葬許可証」を提出しない限り、
勝手にお墓を移動するのはできないと決められています。【墓地埋葬法第5条,墓地埋葬法施行規則第2条】
この改葬許可証はお墓の管理者である住職が「埋葬証明書」を発行したり、役所規定の書類「改葬許可申請書」へ住職が証明印を押すことで得ることができます。
そのため、離檀料を払わないと印鑑を押さないと言ったりすることもあるようです。
そのように住職と揉めてしまうとスムーズに離檀することができないのはもちろん、気分も良くありません。
□ 離檀の方法
・離檀の申し入れと、その理由を伝える
離檀したい理由は人によってさまざまですが、離檀する時にはお寺に離檀をしたいという申し入れをする必要があります。
その時にはなぜ離檀するのか理由も伝えます。
「無宗派になりたい」や「宗派を変えたい」、「寺院とのつきあいが負担(負担になる具体的な理由がない)」といった理由を述べると
住職から離檀することを引きとめられてしまう可能性がありますので、
もっとも無難な理由としては、自分自身は遠方に住んでいる/経済面などで「両親が亡くなり、仏壇を引き継ぐものがいない。」という理由や
「仏壇やお墓の面倒が見られず処分したい」というような理由を挙げると良いでしょう。
※ お寺から離檀することを快く思われなくても、檀家を離れること自体は法的な問題はなく、本来は宗教の自由があるので離檀はできます。
しかし、離檀する場合は、先祖代々のお墓を長年供養してもらったお礼をきちんと伝えつつ、きちんと話し合いをする必要があります。
住職との人間関係を壊すことなく、スムーズに離檀の手続きをおこなうのが理想といえるでしょう。
・離檀料を支払う
離檀する旨を住職に伝え話しがまとまったら、離檀料を支払いましょう。
※ 離檀料は必須のものではなく、法律的にも離檀料を払う必要はありませんが、お寺によっては檀家契約書を結んでいることもあります。
契約書に離檀料についての明記があれば払う必要があるため、もし檀家契約書がある場合は離檀料についての記載がないか確認してみて下さい。
一般的には、これまでの感謝の気持ちも込めてお布施として離檀料を支払う方が多いです。
★ 大体の相場は10~20万円といわれています。
・閉眼供養をしてもらう
離檀の際に、そのお寺に先祖の墓がある場合「閉眼供養」をしてもらい、お墓を解体しお骨を改葬(他の場所に移す)する必要があります。
※ 閉眼供養とは、お墓に宿った仏様の魂を鎮めてから抜き取る供養のことをいいます。
この閉眼供養をおこなってもらった際にもお布施としてお寺にお金を支払います。
おこなう目的や地域の慣習によって金額は異なりますが、2万円~5万円が相場とされています。
(まとめ)
立つ鳥跡を濁さず!これまでのお礼を必ず伝えましょう。
住職に直接会って離檀をしなくてはいけない理由を伝え、丁寧な話し合いをすることでスムーズに進めることができるはずです。
どのような理由で離檀する場合でも、これまで先祖代々の供養をおこなってもらった感謝の気持ちをきちんと伝え、気持ち良く離檀することが大切です。(合掌)
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