ペットにも“終活”を──家族だからこそ考えたい供養のかたち

はじめに

ペットは大切な家族の一員です。
その存在は日々の癒しであり、人生の節目にも寄り添ってくれるかけがえのない存在。
だからこそ「もしもの時」に備えておくことは、人と同じように大切な“終活”のひとつです。
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ペットのためのエンディングノート

近年では、ペット専用のエンディングノートを用意する飼い主さんも増えています。
健康状態や好物、普段の生活リズムを書き残しておけば、万が一世話ができなくなったときにも、家族や知人がスムーズに引き継げます。
ペットの暮らしを守る「命のバトン」として、あらかじめ準備しておくことはとても大切です。
一方で、ペットショップなどで「年齢制限」の注意書きを見かけることもあります。
確かに高齢になると飼育継続のリスクは伴いますが、だからこそご夫婦だけの生活やお一人暮らしの方にとっては、ペットと共に暮らすことで生活に張りや潤いが生まれることも多いのです。
エンディングノートを活用すれば、その後の安心にもつなげていけます。
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多様化するペット供養

ペットが旅立った後の供養方法も年々多様化しています。
•定着している方法:合同墓、個別墓、手元供養
•新しい選択肢:樹木葬、納骨堂、オンライン供養
北海道でもこうした選択肢が広がりつつあります。
札幌や三笠市の霊園では、ペットと一緒に眠れる樹木葬や永代供養墓があり、旭川の寺院には屋内型のペット専用納骨堂もあります。
また、札幌市豊平区の「西岡霊廟」には「メモリアルパーク虹の橋」という納骨堂が整備され、季節や天候に左右されず参拝できる環境が整っています。
地域によって特徴が異なるため、希望に合わせて選べる時代になっているのです。
ムーンデライトでも、まだ事業化に至っていないものもありますが、**「ご相談いただいたことは、できる限り形にしていく」**という姿勢で取り組んでいます。
ペット供養についても、その延長で少しずつサポートを拡充していく予定です。
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事前に考えておくことの大切さ

いざその時になると、悲しみの中で冷静に判断するのは難しいもの。
だからこそ「どう送りたいか」を生前から考えておくことが、残されたご家族にとって大きな助けになります。
大切な家族とのお別れを、心を込めて準備する──それもペットへの最後の愛情表現です。
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ある飼い主のエピソード

最後に、ひとつのエピソードをご紹介します。
18年連れ添った雌猫を老衰で見送った飼い主がいました。
最期の2週間はほとんど寝たきりでしたが、ある日ほんの数分だけ元気を取り戻し、再び大好きだった腕枕の中に戻ってきてくれたそうです。
「その瞬間に想いが心の中に入ってきたように感じた」と語ります。
その猫と妻は、飼い始めの頃こそ本気でケンカをするほど個性がぶつかり合っていました。
しかし、妻がノロウイルスで苦しんで寝込んでいたとき、猫がずっと寄り添ってくれたことで関係は一変。
以後は互いを同士のように信頼し合う存在となり、夜は妻の枕元で眠ることが「心からの安らぎ」となっていきました。
最期の時も再び妻の隣で眠れるようにしてあげられたことで、私も妻も深い悲しみの中にありながら後悔はなく、同じ気持ちで心を整理しながら見送ることができました。
まさに “the happiest hello and the hardest goodbye”──最も幸せな出会いと、最もつらい別れ。
その両方を抱きしめることが、ペットとの人生を豊かにしてくれるのだと思います。
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おわりに

ペットと暮らす日々が続くことを願いながらも、終活を通して命の尊さと向き合うことは、飼い主にとっても豊かな時間をもたらしてくれます。
私たちムーンデライトは、**「まだ形になっていないものも、ご相談を起点に事業へ育てていく」**という姿勢で取り組んでまいります。
小さな不安や気づきでも、どうぞお気軽にご相談ください。