🌙 病院でも自宅でもない、“第三の最期の場所”
― 北海道の地方で広がる、緩和ケア施設という選択 ―
「最期の時間を、どこで過ごしたいですか?」
そう聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。
けれど今、北海道の地方では、
**病院でも、自宅でもない“第三の場所”**を選ぶ方が、静かに増えています。
それが、
**緩和ケア施設(ホスピス型の看取り施設)**という選択です。
🕊 緩和ケア施設とは?
― 病院の緩和ケア病棟とは、少し違います ―
「ホスピス」「緩和ケア」という言葉は聞いたことがあっても、
その違いがよく分からない、という方は少なくありません。
ここで一度、整理してみます。
■ 病院の緩和ケア病棟
- 病院の中にある専門病棟
- 主に末期がんなどが対象
- 医療行為が中心
- 入院期間に制限がある場合も
- 費用は医療保険の範囲内
■ 施設型ホスピス(今回のコラムの対象)
- 住宅型有料老人ホームや、看取りに特化した民間施設
- 訪問診療・訪問看護が24時間体制で関わる
- がん以外(老衰・心不全・認知症末期など)も受け入れ可能
- 医療と生活の“中間”にある場所
- 本人の生活リズムや自由を大切にする
北海道の地方では、
実際には「老衰による看取り」がとても多く、
この施設型ホスピスの存在が、年々重要になっています。
🧩 北海道の地方で起きている現実
― 病院にも、自宅にも、いられない人が増えています ―
地方では、いくつもの現実が重なっています。
■ 病院に長くいられない時代
医療制度の変化により、
- **急性期病院(ケガや病気の直後の治療を行う大きな病院)**は、早期退院が前提
- 慢性期病棟でも「在宅復帰率」が求められる
その結果、
「入院し続ける」という選択自体が難しくなっています。
■ 子ども世代は地元に戻れない
- 仕事
- 子育て
- 住宅ローン
- 交通の不便さ
「親のために戻りたい気持ちはある」
けれど、現実として戻れない家庭がほとんどです。
■ 北海道特有の“冬”
- 雪かき
- 凍結路面
- 通院の困難
- 救急搬送の遅れ
冬は、在宅介護を断念せざるを得ない
最大の理由になることも少なくありません。
だからこそ今、
自宅でも病院でもない場所が必要とされています。
🕯 緩和ケア施設は「自由」と「安心」のちょうど真ん中
施設型ホスピスでは、
- 痛みや不安を和らげる医療的ケア
- 24時間の見守り
- 家族の身体的・精神的負担の軽減
- 本人の希望を尊重した生活
が、バランスよく整えられています。
■ “その人らしさ”を守る場所
施設によっては、
- 最後に少量のお酒を楽しむ
- 好きな音楽を流す
- ペットと過ごす
- 指定場所での喫煙(施設ごとのルールあり)
といったことも可能です。
病院では難しい生活の自由があり、
自宅では不安になりがちな安心がある。
その「ちょうど真ん中」にあるのが、
緩和ケア施設です。
🗣 家族の負い目を、そっと軽くする場所
地方のご家族から、こんな声が聞かれます。
「毎日は行けない。でも、安心して任せられました」
「病院では“患者”だった父が、ここでは“父のまま”でした」
「最期の記憶が、苦しみではなく穏やかな時間になりました」
近くにいられないことは、冷たさではありません。
それは、生活の現実です。
緩和ケア施設は、
その負い目を、そっと軽くしてくれる場所でもあります。
💴 費用の不安について
― 年金の範囲で利用できるのか? ―
地方で最も多い不安が、費用の問題です。
施設型ホスピスの費用は主に、
- 家賃
- 生活費
- 医療費(訪問診療・訪問看護)
で構成されます。
ここで大切なのが、
高額療養費制度
(医療費の自己負担が、月ごとに一定額を超えない仕組み)
この制度を利用することで、
医療費の負担は大きく抑えられます。
結果として、
- 年金
- 医療保険
- 家族の少しの補助
を組み合わせて、
現実的に利用できるケースも多いのが実情です。
「知らないから不安」
この状態を減らすことが、何より大切です。
🌱 終活とは、「最期の場所」を選ぶことでもある
終活というと、
お墓や遺言の話が先に浮かびがちです。
けれど本当は、
- 病院で安心を選ぶ
- 自宅で家族と過ごす
- 緩和ケア施設で自分らしさを守る
どれも正解で、
どれも尊い選択です。
大切なのは、
本人と家族が納得して選べること。
🌙 Moon Delightからのメッセージ
― 情報を届け、選択を支えるために ―
Moon Delightでは、
緩和ケア施設の運営や斡旋を行っているわけではありません。
私たちが大切にしているのは、
- 終末期の選択肢を、分かりやすく伝えること
- 「怖くて考えられない」を「話してみよう」に変えること
- 本人と家族の対話を後押しすること
北海道の地方で生き、
北海道の地方で最期を迎える。
その時間が、
不安ではなく、静かな安心に包まれるように。
このコラムが、
その最初の一歩になれば幸いです 🌙
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