「お墓(家族墓)」を継ぐ?継がない?
当コラムでは、一般的な「家族墓」について自分や子孫も含めて、今後も代々守っていくことについて抱く率直な「声」を集めてみました。
※ 家族墓とは、その名の通り家族が眠るお墓のことです。夫婦で使用するから夫婦墓、個人で使用するので個人墓、といったような呼び名があります。
私たちが墓地で見る一般的なお墓の多くがこの「家族墓」にあたります。
普段あまり意識にすることはないけど、頭の片隅では気になっている「お墓」という存在。
● 継げない、継ぐ人がいない、継がせたくない
みんなはどう考えているのでしょうか? 「まだまだ先のこと」と目をそらしていても、いずれは受け入れなければならない現実。
もちろん、受け止め方は人それぞれですので、大雑把にポジティブな意見(YES)とネガティブな意見(NO)とを分けて羅列してみました。
(注) 簡単にイエス・ノーで判断できることでもありませんが、どちらかと言えばイエス/ノー的なものも、この2つで区分しています。
【YESの声】
・義父母が建てたお墓ですが、夫が入るのなら、私もそこに。亡くなったあとも一緒にいたいので。(48歳・主婦・子供あり)
・本当は気が進まないけれど、嫁いだ家の墓に入るべきだと思っています。(53歳・自営業・子供なし)
・義父は、菩提寺にあるお墓に入るつもりみたい。お墓を守るにあたり、住職さんとのお付き合いやお布施について申し送りされました。
長男の嫁、いろいろ大変です(笑)。(48歳・役所勤務・子供あり)
・祖父母が建てたお墓が郷里にありますが、私がそこに入るとしても、遠すぎて不便。なので実母とは、今の住まいの近くに新たに建てようかと話しています。
(50歳・主婦・子供あり)
・今のところ、夫とは、私の実家のお墓と同じ墓地に新たに建てようと話しています。子供がいないので、親類が多い実家近くのほうがなにかと安心な気がして。
とはいえ、もっとよい方法が見つかれば、再考するかもしれません。(53歳・会社役員・子供なし)
・私の両親のお墓、母方の祖父母のお墓が遠方にありますが、日ごろは誰も世話をしていません。数年に一度、私が帰省し、お参りや掃除などしますが、
私の死後どうなるのか。墓じまいはお金がかかるし、それ以前に、お墓の処分はとてもつらいことなので。(48歳・主婦・子供あり)
・「死」を身近に感じると、まず思い浮かぶのは葬儀。でも実際は、そのあとのお墓や仏壇のほうが、費用がかかるのだと、最近知りました。
どこまで準備し、情報や手続きの把握をしておくべきなのか気になっています。(49歳・美容セラピスト・子供あり)
【NOの声】
・早くに亡くなった母が眠るお墓に入りたい。それは、結婚する前に夫にも伝えています。順番どおりなら、私より先に義父母は亡くなっていると思うので、
このことはあえて話題にはしていません。(52歳・主婦・子供なし)
・主人の家のお墓には絶対入りたくありません。義父は、結婚前に亡くなっているので会ったことがないし、義母とは犬猿の仲。
死んだあとくらい、自由になりたい!(54歳・主婦・子供なし)
・私はひとりっ子で、夫は本家の長男。両家ともにお墓はありますが、お墓を守っていくのは大変なこと。
「お墓をもたないという選択もありかな?」と考えることも。(53歳・在宅ワーク・子供あり)
・夫は、実家の敷地内にお墓を建てたいと考えているようですが、私にとっては、あまり縁のない土地。子供も娘ふたりなので、墓守りをさせるのは心苦しい気も……。
最近は、家から近い場所での永代供養はどうかと話し合っています。(56歳・主婦・子供あり)
・私が「どうしたいか」は、はっきりいって二の次。それより、あとに遺のこされる子供たちに、お墓で苦労させたくない。
子供たちに一番迷惑のかからない方法を選択したいです。(48歳・自治体非常勤・子供あり)
・「お墓に入りたい」という気持ちはないです。遺骨は樹木の下や海に撒いてもらうなどして、何も遺したくないです。(49歳・看護師・子供あり)
・お墓はいりません。日ごろから主人にも子供たちにも、「私が死んだら、海に散骨してね」といっています。お墓をつくると、遺された家族の負担になりますし、
かといってロッカー式の納骨堂や共同墓などは寂しいので。(50歳・主婦・子供あり)
・子供もきょうだいもいないので、夫か私が、墓じまいの手続きをしなくてはなりません。それが憂鬱……。
身寄りのない人が安心して利用できる制度などあれば知りたいです。(47歳・フラワーデザイナー・子供なし)
・『千の風になって』の歌詞ではありませんが、死後の魂はお墓にいるわけではないと思っています。お墓に行かないと会えないのではなく、
いつでもどこでも、そばにいる存在ではないかと……。だから、お墓について、それほどこだわりはありません。(49歳・事務職・子供あり)
■ 家族墓の承継に対して「NO」の考えの場合はどうしたらいいの?
お墓じまいと、その改葬先については以下のコラムに詳しく記載していますので参考になさってください。
https://takikawa.mypl.net/shop/00000373059/news?d=2527385
■ ちなみに、「入るお墓に決まりはあるの?」という素朴な疑問に対してお答えしますと
Q:義父母と一緒のお墓に入りたくありません。どうしたらいいですか?
A:どのお墓に、誰と入るかは、個人の自由。従うべき“決まり”はありません。(「○○家之墓」は戦後に普及した比較的新しい形なのです)
「どのお墓に誰と入るかは、個人の自由です」
60代以上の世代は、いまだ家父長制度の時代の名残からか「婚家のお墓に入るもの」という意識が強い方もいるかも知れませんが、
「義父母と一緒のお墓はイヤ」「知らない人ばかりが眠るお墓に入るのは寂しい」「実の親と一緒がいい」といった本音をもらす人もいます。
そもそもお墓には、『妻と夫は同じお墓に』とか『嫁いだ娘は、実家のお墓に入れない』といった決まり事はありません。
私たちが馴染んできた「○○家之墓」と刻まれた墓は、先祖代々がそのお墓に納骨されているイメージがありますが、そこに大きな誤解があります。
複数の遺骨を一緒に納骨するには、火葬することが前提になりますが、火葬が全国平均で50%を超えたのは1935年あたりで
それまでは土葬が主流だったので、一人につき1つのお墓が必要でした。つまり、『○○家之墓』という“家墓”の歴史は、それほど古くないのです。
お墓に納骨されているのも、祖父母の代以降というのが一般的です。
60、70年前までは、婚家の墓に入るどころか、夫とも別の墓というのが普通でしたので、親世代が、『長男がお墓を守るべき』とか、
『嫁がうちのお墓に入るのは当然』と思い込んでいるのは、お墓に対する誤解があるためかもしれません。
少子化で、今後ますます墓守はいなくなるでしょう。すでに地方では、個人所有の土地に建っているものも含め、お墓の3~4割が無縁墓というデータもあります。
そもそも長寿になり、親が亡くなった時点で、子供もすでに高齢というケースが珍しくなくなりました。となると、お墓参りできる期間は短くなり、せいぜい20年程度です。
「墓じまいすることになり、ご先祖さまに申しわけない」という声も実際にあります。しかしながら、「お墓のあり方」は、時代によって変わります。
それを踏まえたうえで、自分たち家族にとってのお墓の意義やあり方を、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
(追記:豆知識)
Q:生前にお墓を買えば 相続税対策になる?
お墓は祭祀財産なので、相続税の対象外。そのため、生前に購入すれば、その分が節税になるといわれています。
A:確かにそのとおりです。
(注)ただ、裏を返せば、相続税が発生しない家にとっては関係ありません。「生前にお墓を購入したほうが得」を鵜呑みにするのは危険です。
遺された家族が相続税の課税対象になるかどうか、調べたうえでご判断ください。
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